安定同位体と特殊ガスのタツオカ

研究分野に特化したガスのトータルサポーター、タツオカ。
レスポンスに重点をおいた体制で、シリンダー、キャビネット、配管、装置機能までの供給をトータルにエンジニアリング

安定同位体とPET

PETといえば、放射性同位体を使う診断法で、安定同位体とは無関係のようですが、じつは、非常に重要な役割を果たしています。

PET ( Positron Emission Tomography )

ポジトロンCTともよばれ、生体の断層写真を撮ることのできる装置又はその方法です。断層写真を撮る方法は、X線をつかうX線CT、NMRを使うMRIが他に有ります。
ポジトロン、プラスの電荷をおびた電子、は、負の電荷をもつ普通の電子と出会うと、結合してガンマ線を放出します。PETは、このガンマ線を検出して画像を作り出します。
ポジトロンの発生には、放射性同位体が使われており、半減期が適当な18Fがよく使われています。ただし、フッ素をそのまま使うのではなく、フルオロデオキシグルコースという、ブドウ糖の水酸基をこのフッ素の放射性同位体に置き換えたものが使われます。
がん細胞は普通の細胞より増殖が活発で、そのため、大量の栄養、ブドウ糖を消費します。フルオロデオキシグルコースを投与すると、がん細胞に集まり、局所的により多くのポジトロンを発生する場所が見つかります。これでがん検診を行うことができます。 フルオロデオキシグルコース

このフッ素の放射性同位体 18F は、自然界に存在する酸素の安定同位体 18O から作られています。体への影響も考慮し(バリウムを飲んでX線検診をうけるより被爆量は少ないといわれています。)、PETで使われる放射性同位体は半減期が短かいので、通常、装置を保有する施設にサイクロトロンなどの加速器も保有しており、その場でPETに必要な、フルオロデオキシグルコースが作られています。保存ができないフッ素放射性同位体の代わりに、扱いやすい酸素の安定同位体から、診断に必要な薬品を作り出せます。
サイクロトロンは強力な磁場と高周波で陽子を加速する装置で、高速の陽子を 18O にぶつけて、同じ質量数の 18F を作り出します。