安定同位体と特殊ガスのタツオカ

研究分野に特化したガスのトータルサポーター、タツオカ。
レスポンスに重点をおいた体制で、シリンダー、キャビネット、配管、装置機能までの供給をトータルにエンジニアリング

NMRと安定同位体

核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance)

原子核は高速で回転していると考えられています。陽子と中性子の原子核は正の電荷を帯びているので、回転すれば、電流が流れ、電磁石として磁場を発生します。原子核の大きさの磁石です。通常はバラバラに並んでいますが、強力な磁石の中に物質を置くと、でたらめな磁場の方向が磁力線の方向とその反対向きの2つにそろいます。ここに、特定の周波数の電波を与えると、その電波を吸収して方向が反転します。これが核磁気共鳴、Nuclear Magnetic Resonanceです。

NMRの原理NMRの原理

安定同位体の利用

同じ物質でも質量数のちがう同位体では、NMRに対する性質が違います。一般に存在する12C は、検出できませんが、同位体の13C は検出できるので、13C が組み込まれた炭化水素は、他の炭化水素と区別がつきます。また、炭化水素の水素に重水素を使えば、その水素はNMRを起こさないので、その炭化水素以外の水素のNMRだけを感度よく取り出す事ができます。このような重クロロフォルムや重アセトンは試料を溶かして測定する、液体NMRのよい溶媒になります。(NMR溶媒

液体に溶かすのは、NMRに方向性がある為です。単結晶では、原子核の方向がそろっているので、NMRは、結晶の方向によって共鳴周波数がかわります。液体中では、分子が運動しながら、いろな方向を向きます。つまり、測定器の方向を変える代わりに試料があらゆる向きを向くことになります。測定結果はいろいろな方向の吸収周波数が平均化され、方向性はなくなります。これでは、何もはかれないように思えますが、NMRには、もう一つ方向に関係しない、化学シフトとよばれるNMRがあり、これだけが、残ることになります。化学シフトは、化学結合によって違うので、未知の試料中の1HをNMR測定して、CH3とOHの周波数が観測されれば、これは、メタノールであろうと推定できるわけです。